変なやつの変なブログ

猫とゲームと何かで塗り固められた何か

成長過程

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俺は運動が嫌いだ。なのによく寝るしよく食べる。デブまっしぐらの生活を続けているし、現に肥満予備軍だと言われた。しかし、危機感を感じつつも変な時間によく寝ている。

小学三年生位から、腹が出てきていることに気がついた。「うわ……なんか、俺太ってる?」と考えるようになった。要因は探らずとも分かっていた。我が家にやってきた『Wii』のせいである。生まれて初めて手に入れた家庭用ゲーム機に大興奮した俺は、一日中外に出ないでゲームをやりまくっていた。
この頃やっていたのは、『はじめてのWii』と『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』だった。特に後者にはどっぷりはまって、勉強もせずにひたすらやっていた。

中学一年になるとゲームのやり過ぎで親にWiiを没収された。俺は必死に「許して」「何でもする」「もうやらないから(?)」と親に懇願したのだが、無駄だった。結局、Wiiは長野に住む祖父母の家に送られた。
それから中学が終わるまでゲームはお預けだったが、小学生の頃に俺の体に染み付いた怠慢な生活は直らなかった。部活は吹奏楽部をやっていたのだが、ゲームができないという不満とストレスで集中できず、度々サボっては家でふて寝していた。それでもしっかり飯を食っていたため、エネルギーだけが蓄積されていき、俺はぶくぶくとでかくなっていった。

そして現在にいたる。相変わらず怠惰な生活をしているが、なんかもうこれでいいやという開き直りを見せている。両親も諦めているようだ。
「頑張っていること」をテーマにした作文で「何も頑張らないことを頑張っている」と400文字書いて教師を呆れさせたし、脳も順調に成長していると思う。変な方向に、だが。

ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス

ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス

無題

「餌をよこせ」

飼い猫が突然喋った。
もちろん私は驚いた。普通の猫は日本語を話せないからだ。というか、普通、人間以外は日本語を話すことはできないはずだ。よくテレビで、猫が人間の声そっくりな鳴き声を出すと話題になっていたりするが、それはあくまで鳴き声である。これは日本語だ。少し、いやかなり違う。

「早く餌をよこせ。腹が減って仕方ないんだ」

飼い猫は尚も私に催促する。日本語で。
このアメリカンショートヘアは何故突然日本語を喋るようになったのだろう。宇宙人とか幽霊の仕業なのだろうか。SFではよくある話だが。

まて。私は固定概念にとらわれていたのかもしれない。動物が日本語を喋らないと誰が決めた?オウムや九官鳥だって、人間の言葉を覚えるではないか。猫もペットとして飼われるようになって、人間とより深いコミュニケーションを交わすために、人間語を話せるように進化したのではないか?

私は感動した。猫が喋るようになったという進化を、恐らく世界で一番最初に発見したのだ。まさに世紀の大発見。クリストファー・コロンブスの気持ちがわかったようだ。いや、違うな。

「早くしてくれ。何をそんなに考える必要がある?餌を出してくれるだけでいいんだ。いつものようにな」

猫はしきりに私に声をかける。
その声には可愛さのかけらもない。

私は気付いた。猫好きである私からしたら、人間の声など煩いだけなのだ、と。ニャーと鳴かない猫など猫ではない。ニャーと鳴くから猫なのだ、と。

「猫らしくしろ」

私が言うと、猫は渋い顔をした。


二ヶ月後、世界中で「猫が日本語を話す」と話題になった。発見したのは、神奈川県在住のなんちゃらさんだ。
テレビに映っていたスコティッシュフォールドは、さも誇らしげに記者との会話を楽しんでいた。

「今更か。猫だから喋らないなんておかしいよな」

ソファに座っている私の隣には、おっさんのような声をだす猫がいる。
私にとってその猫は誇らしい存在でもないし、もはやペットでもない。会社から帰ってきた私の疲れを癒すあの猫は、一体どこへいってしまったのだろう。

「猫が鳴かないなんておかしいだろ」

私がそういうと、決まって奴は変な顔をする。

猫と蛇

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俺がこの世で最も好きなものといったら金だが、最も好きな動物といったら猫だ。
何というか、とても可愛い。可愛い。可愛いしか言えない。可愛い以外に言える言葉があるだろうか。

犬と猫、どちらが可愛いか比較する人がたまにいるが、犬と猫は全然違う。イルカと鯨くらい違うと思う。
まず見た目からして違う。鳴き声も全然違う。大きさも違う。違う違うだらけ。比較する対象が間違っている。犬と狼、猫と虎なら解るが、犬と猫は全く別物だ。
「犬と猫では犬の方が上」とか言う奴の頭をハンマーでかちわってやりたい。
頭の中で。

俺は猫にまみれて死にたい。何百匹何千匹という猫に押し潰されて熱中症で死にたい。
俺は蛇も好きなのだが、蛇にまみれて死にたいとは思わない。何百匹何千匹という蛇に押し潰されても楽しくないし、暖かくない。熱中症になる前に首を絞められて死ぬ。窒息死は嫌だ。

生まれ変わったらコンクリートか野良猫になりたい。野良猫になったら商店街を我が物顔で歩き、路地裏で餌を食べたい。
コンクリートになったら……ビルの一部にでもなるのだろうか。よくわからんが、コンクリートが常日頃何を考えているのか非常に興味深い。
野良蛇になるのもいいかもしれないが、鳶かマングースに捕まって食われるオチしか見えないのが非常に残念だ。

こう考えると、蛇に生まれ変わったやつはかなり可哀想だ。人間から見放され、最終的に鳶かマングースに食われるなんて非情すぎる。
だから俺は蛇を愛し続けたい。蛇からしたら余計なお世話かもしれないが、蛇の素晴らしさを世間に知らしめて蛇をペット界の王にしてやりたい。
何百匹何千匹という猫に押し潰されながら、そんなことを考えてみたい。