外れそうな首
富岡製糸場が世界遺産になったニュースは最近聞いたが、国宝になったというニュースは全く聞かない。
世界遺産より国宝のほうがなんか豪華な気がするのは俺だけだろうか。世界遺産は「遺産」だから古臭いイメージがあって、国宝は「宝」だから豪華なイメージがある。世界遺産も「世界財宝」みたいにすればいいのに。駄目か。
群馬県富岡市にある富岡製糸場へ行った。
古くてびっくりした。
俺は歴史が大嫌いだ。何故なら、話を聞けば聞くほどわけが分からなくなるからだ。ベルサイユのばらも一巻の3、4ページで挫折したし、中学生の歴史の授業は殆ど寝た。
そんな歴史が嫌いな俺が富岡製糸場に行くとどうなるか。答えは簡単だ。「古くてびっくりした」という小学生でも書かないような感想を残すだけ。
俺は富岡製糸場に行き、建物が古くてびっくりした。以上だ。
ガイドツアーなんてのを無料でやっていた。係のおじさんが施設の説明をしてくれるというものだ。
俺の両親はそれはもうノリノリでおじさんの話を聞いていた。話を聞くたびに「はー」とか「ほえー」とか言っていた。
一方、俺は完全に無気力状態だった。外は暑いわ喉は乾くわ便秘で腹が痛くなるわで一刻も早くトイレに行きたかった。
突然ゆるキャラが現れた。「お富ちゃん」とかいうらしい。今にも外れそうな首をグラグラさせながらのしのし歩き、寄ってきた観光客と記念写真を撮る仕事は確実に楽ではない。貼り付いたような笑顔を向ける彼女の目は笑っていないように見えた。
因みに、富岡製糸場のちょっと先には「お富ちゃん家」という観光物産店がある。自宅までも仕事場にされ、さぞ苦労していることだろう。
もう特に書くことがないので、これで終わります。
歴史に興味のある方は是非行ってみて下さい。歴史に興味のない方は別に行かなくていいと思います。