変なやつの変なブログ

猫とゲームと何かで塗り固められた何か

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庭の改造に命を懸ける男……父が、春ということで庭の隅っこに桜の枝をブッ挿した。

ここ最近、父の驚異的な日曜大工力でみるみる庭が進化してきている。
この家に引っ越してきた当初は謎の毛で覆われた大木が二本立っているだけのサバンナ感溢れる殺風景な庭だったのだが、1月になってから突然ヨーロッパっぽくなった。煉瓦の小道ができ、謎の毛で覆われた大木は処分され、花壇には可愛らしい花が咲き、その隣には長ネギみたいな何かがひしめき合い、そして桜が出現した。
まだまだ進化途中であるそうで、今度は芝生を張るらしい。こんな狭苦しい庭に芝生など張ってどうするつもりなのか。スポーツなどできるはずもないし、本当に無意味でしかないと思うのだが、本人がやりたがっているのだから仕方ない。
奴は庭が東京ディズニーランド並みに成長するまで手を休めないだろう。いや、東京ディズニーリゾートを作ってもまだ止めないかもしれない。


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もうすぐ……いや、もう春ですね。
ちょっと前までは寒くて顎がガクガク震えていたというのに、ちょっとずつ暖かくなってコートやストーブが暑く感じるほどになってきている。桜の蕾が膨らみ、梅の花は早くも咲き始め、灰色だった駅前がいつしかピンク色に染まってきた。
街の様子にも変化が訪れる。冬に凍っていた人間達が、段々と溶けていくように、街に活気が出始める。

活気があるのは良いことだ。何事も活気がなくっちゃやって行けない。活気がありすぎるのも如何なものかと思うが。
因みに、俺は年中活気がない。死んだ魚のような目で、横になりながらゲームやってるだけだから活気の出し所がない。WiiFitなら活気が出るだろうがWiiFitがないから仕方ない。冬から春にかけて俺が変化した様子もないし、死んだ魚のような目でゲームするしかないのだ。

そんなことを考えながら電車に乗り込み、死んだ魚のような目で外の様子を眺めていると、一人の女性が目に入った。
その女性はアパートのごみ収集所にゴミを入れている最中であった。見えたのは後ろ姿だけだったが、その美しい姿が俺の目に焼きついた。
黒い髪のショートカットに細い体 (アマガミ七咲逢に近い)、そしてTシャツに長ズボンというシンプルなファッション。俺の好みの女性ど真ん中だ。
心臓がバクバク鳴った。俺は「一目惚れ」を生まれて初めて体験したのだ。一目惚れなんて不浄だ、と信じて疑わなかった俺が一目惚れしたのだ。しかも後ろ姿だけで。

そういえば、春は恋の季節とも言われていたっけ。永遠に一目惚れなどしないと粋がっていた俺を一目惚れさせるだなんて、春恐るべし。
しかし、そんな一目惚れが叶うはずもなく、俺の記念すべき第一回目の一目惚れは時間と共に忘れ去られていくのであった。
めでたしめでたし。